英ポンド/円相場は、125円水準まで値位置を切り上げる展開になっている。英金融緩和圧力が一服する中、ユーロ相場の戻りと連動する形でポンド相場も地合を引き締めた。125円の節目で若干の抵抗を受けているが、6月25日以来の高値を更新している。
8月15日にイングランド銀行(英中央銀行)が公開した金融政策委員会(MPC)議事録では、当面は既に決定されたか緩和策の効果を見極めるスタンスが鮮明になっている。金利と資産買取プログラムの規模据え置きが全会一致であったことが確認される中、英金融政策環境を手掛かり視するのが難しい状況になっている。16日に発表された7月小売売上高指数は前月比+0.3%となり、市場予測-0.1%に逆行してプラスになっている。ただ、これはガソリンや食糧価格が値上げされた影響が大きく、先行きを楽観視することは難しい状況にある。英経済に対しては依然として慎重な見方が強く、ポンドの本格上昇は難しいとみている。
最近のポンド高に関しては、英経済環境よりも欧州債務問題に対する楽観ムードの影響が大きいと考えている。欧州中央銀行(ECB)の国債購入に対する期待感が強まる中、ユーロ連動でポンドも上昇した。ただ、23日以降は低迷が予測されるユーロ圏経済指標の発表、ギリシャ・独・仏首脳会合も控えていることで、徐々にユーロ同様にポンド相場の上値も圧迫される展開を想定している。ユーロ圏の景気減速、各国首脳の意見対立が確認されれば、ポンドも反落するリスクが高い。
今後1週間の予想レンジは、123.50~126.00円。